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9月1日は、防災の日です。
ただ、「防災の日だから何かしよう」と思っても、何をすればいいのかは意外と分かりません。防災グッズを買い足すのか、避難訓練をするのか。結局、何もしないまま9月2日になる。そういう年が続いていませんか。
この記事は、9月1日を「わが家の点検日」にするための手順です。買い足す話ではありません。すでに備えてある物が、今も使える状態かを確かめる話です。
先に言っておきます。5項目を一度にやらなくて大丈夫です。 1つずつ選んで終わらせる。そのための記事です。
なぜ9月1日なのか
「防災の日」は1960年(昭和35年)6月17日の閣議了解「『防災の日』の創設について」で創設されました(現在は1982年の閣議了解に引き継がれています。出典:内閣府「『防災の日』及び『防災週間』について」)。
日付が9月1日なのは、1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が発生したことにちなみます。加えて、9月1日は暦の上で「二百十日」にあたり、台風シーズンを迎える時期でもあります。
そして創設の直接のきっかけは、前年1959年(昭和34年)9月26日の伊勢湾台風でした。戦後最大の被害を受けたことが契機となり、地震や風水害への心構えを育てるために設けられた日です(出典:東京消防庁「防災の日と二百十日」)。
地震と台風、両方の戒めが込められた日なのです。
つまり防災の日は、地震だけの日ではありません。この記事でハザードマップや停電の話も扱うのは、そのためです。
なぜ「点検日」が要るのか
備えは、置いておくだけでは維持できません。
- 突っ張り棒は、押さえつける力が少しずつ弱まります
- 非常食の賞味期限は、静かに近づきます
- そして何より、子どもが半年で大きくなります
「前にそろえたから大丈夫」。これが、いちばんの落とし穴です。
だから、年に2回だけ、見直す日を決めておく。おすすめは3月11日と9月1日です。どちらも忘れにくい日付で、ちょうど半年おきになります。カレンダーに入れてしまえば、あとは思い出す必要すらありません。
この記事の進み方
点検する項目は5つですが、前半3つと後半2つで性格が違います。
- 前半(①〜③)=地震に備える3つ。家の中と、持ち出す物の点検です
- 後半(④〜⑤)=台風と停電に備える2つ。この先の台風シーズンに向けた点検です
9月1日が関東大震災と伊勢湾台風の両方に由来する日だったことを思い出してください。地震の備えと、台風の備え。この日は、その両方を見直す日です。記事もその順で進みます。
地震に備える3つ
① 家具の固定は、緩んでいませんか(5分)
まず、いちばん短時間で終わるものから。
やることは1つだけです。固定した家具を、手前に軽く引いてみる。 動かなければ大丈夫です。突っ張り棒に手を当てて、ぐらつかないかも確かめてください。
これだけで5分もかかりません。それでも意味があるのは、突っ張り棒は緩むからです。メーカーの平安伸銅工業は、使用上の注意事項でこう案内しています。
取り付け後、点検を行ってください。また、取り付け2〜3日後、また定期的に取付状態を確認してください。特に圧着状態をよく確認し、弱ければ圧着強度を増してください。
(出典:平安伸銅工業「家具転倒防止突っ張り棒 REQ-65」使用上の注意事項)
付けた日がいちばん強く、そこから緩んでいきます。
⚠️ 揺れを感じるような地震があった後は、点検日を待たずに確認してください。 同じ注意事項に、点検よりさらに踏み込んだ一文があります。
地震後は安全のため新品と交換される事をおすすめします。
家具の固定そのものをまだやっていない、あるいはやり方に不安がある場合は、こちらにまとめています。
▶ 賃貸でもできる家具の転倒防止-壁に穴を開けない固定方法【公的データで比較】
▶ 家具転倒防止グッズの選び方と設置手順-賃貸で失敗しない実践ガイド
② 備蓄の賞味期限は、切れていませんか
防災の日は、備蓄を入れ替えるのにちょうどいい日です。
非常食・レトルト・飲料の期限を確認して、近いものは普段の食事で消費する。そして買い足す。この循環がローリングストックです。
「気づけない」を、仕組みでなくす
賞味期限切れは、気合いでは防げません。気づけるようにしておくのが唯一の対策です。
わが家がやっているのは、紙に書いたリストで管理する方法です。
- 備蓄品と期限を、紙にリスト化する
- 箱を開けたら見える位置に貼るか、挟んでおく
- 点検日(3月11日・9月1日)に、古いものを出して入れ替え、リストも更新する
スマホのアラートも試しましたが、鳴っても「あとで」で終わります。既読スルーされて、気づけば期限切れ。紙のほうが確実だったのは、探さなくても目に入るからです。
商品によっては、期限管理カードが最初から同封されているものもあります。それを使えば書く手間もかかりません。
わが家の「半年先ルール」
もう1つ、続けやすい方法があります。
期限が半年先に来る非常食を、普段の食事で食べてしまう。 アルファ米・保存パン・レトルト。点検日に「これは半年以内に切れるな」というものを抜き出して、その月のうちに食卓に出します。
コツは、「実食日」を家族の予定にしてしまうことです。わが家は「4月と10月は非常食の日」と決めています。管理の作業ではなく、行事にしてしまうと続きます。子どもも意外と楽しみにします(そして、その日は親が料理を手抜きできます)。
そして、食べてみて初めて分かることがあります。「子どもがこれを食べない」。これは、期限より大事な発見です。避難所で初めて気づいたら手遅れです。
⚠️ 子ども向けは、保存期間が2つに分かれます。ここを混ぜて考えると失敗します。
| 種類 | 保存期間 | 点検の頻度 |
|---|---|---|
| 子ども向けのアルファ米・おかゆ(だしがゆ、安心米など) | 5〜6年 | 年2回の点検日で足ります |
| 液体ミルク | 約6か月〜1年 | 点検日だけでは足りません |
| レトルト離乳食・ベビーフード | 約1年 | 同上 |
| 普段のお菓子・ゼリー飲料を”ついで備蓄”にしている場合 | 数か月 | 同上 |
つまり、乳児がいる家庭は年2回では回りません。液体ミルクとベビーフードは、買ったときに箱へ期限を大きく書いて、月に一度は目を通すくらいでちょうどいい。
逆に、離乳食を卒業していれば、子どもの分も大人と同じ年2回の点検日に乗せられます。ここが切り替わるタイミングを、点検日に確認してください。
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③ 半年前の子どもと、今の子どもは違います
ここが、季節ごとに見直すいちばん大きな意味です。
例を挙げます。
- おむつの備蓄は、サイズが合っていますか。もう卒業しましたか
- 抱っこひもは、まだ避難で使いますか。もう歩いて逃げられますか
- 靴と服のサイズは、まだ合っていますか
わが家の失敗を書いておきます。おむつです。備蓄してあるのを見て安心していたのですが、点検日に確認したらサイズが小さいままでした。使う頻度が高いぶん、普段使っている分は自然に切り替わります。ところが備蓄の箱だけが、そのときのサイズで止まっていました。
抱っこひもは、少し性格が違います。避難リュックに入れっぱなしにするものではありません。 毎日使うものを、入れっぱなしにはできないからです。だから点検日に見るのは「合っているか」ではなく、まだ避難のときに必要なのかどうか。子どもが自分で歩いて逃げられるようになったら、その前提から外れます。
靴は、いちばん見落とします。避難用の靴は、履かないまま小さくなります。 普段履いている靴と違って、成長に気づく機会がありません。
⚠️ 頃合いを見て、避難用の靴を日常用に回してください。 サイズアウトで捨てるのがいちばんもったいない。避難用を日常用にして、新しいほうを避難用にする。この入れ替えを点検日にやると、無駄が出ません。
年齢別に何を入れるかは、こちらにまとめました。
▶ 【年齢別】子連れ防災リュックの中身-0歳から小学生まで、”足す物”と”いらない物”
台風と停電に備える2つ
9月は台風シーズンの入口です。ここからの2つは、いちばん近い出番が控えている点検です。
④ ハザードマップが、いつの間にか古くなっています
これは、点検日にやる項目のなかでいちばん見落とされます。
以前ダウンロードして安心していたハザードマップを見返したら、わが家の自治体で、より新しい版が出ていました。
理由があります。2015年(平成27年)5月の水防法改正で、洪水浸水想定区域は「想定し得る最大規模の降雨」で川があふれた場合を前提に指定されることになりました(出典:国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」/水防法等の一部を改正する法律)。想定する雨が、それまでより大きくなったということです。
この改正を受けて、全国の自治体でハザードマップの改訂が進みました。想定される浸水域も、指定される避難場所も、変わっていることがあります。
つまり、数年前に見た記憶のまま避難先を決めていると、間違った場所へ向かう可能性があるということです。
やることは検索するだけです。「お住まいの市区町村名 + ハザードマップ」。国土交通省のハザードマップポータルサイトからも探せます。
⚠️ 見るときのポイント:自宅だけでなく、子どもの学校・保育園と、そこから自宅までの道も確認してください。親が迎えに行く道が浸水する想定なら、そもそも迎えに行けません。
⑤ 停電の備えは、そろっていますか
小さな揺れや雨で停電することは、まずありません。ただし、大きな地震や台風では、広い範囲が長く停電することがあります。2019年の台風15号では、関東で最大およそ93万戸が停電し、千葉県では復旧までに10日以上かかりました(出典:内閣府「令和元年台風第15号・第19号をはじめとした一連の災害に係る検証レポート」)。
「起きるかもしれない」ではなく、起きたときに何日か続く。そこを想定して備えます。
そして、子どもは暗闇を怖がります。親が落ち着いていられるかどうかは、光があるかどうかでかなり変わります。
必要なのは2つだけです。
- 明かり(電池式のランタン。部屋を面で照らせるもの)
- 情報(電池で動くラジオ、モバイルバッテリー)
ヘッドライトは避難で歩くときの道具、ランタンは避難所や自宅で過ごすときの道具です。役割が違うので、どちらか一方ではなく、両方あると安心です。
わが家では、電池式のLEDランタンを使っています。キャンプでも使いましたが、明るさは十分でした。
気に入っているのは、電池さえ入っていれば、上に引き上げるだけで点くこと。暗い中でスイッチを探さずに済みます。しかも引き上げる量で明るさが変わるので、夜中に子どもが起きたときは低く、片づけのときは高く、と手元で調節できます。上面についているライトだけは、スイッチを押して点けます。


写真:本体を上に引き上げると点灯します。
軽いのも、置き場所を選ばない理由になっています。
停電の夜に子どもと過ごすことを考えると、手で持たなくていい光が1つあるかどうかで、部屋の落ち着き方が変わります。
⚠️ ランタンも電池式を選んでください。理由はヘッドライトと同じで、停電が長引くと充電できないからです。
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そしてもう1つが情報です。停電が長引くと、スマホの残量がそのまま不安になります。モバイルバッテリーは20,000mAh前後あると、家族のスマホを数回分まかなえます。
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電池は「新品と使用済みを分ける」
100均のポリプロピレン製の電池ケースが便利です。仕切りが付いているので端子同士が触れず、絶縁テープを貼る必要がありません。
使用済みの電池は、必ず別のケースに入れてください。新しい電池と使用した電池を混ぜて使うと、液漏れの原因になります(出典:パナソニック「液もれの対処方法・電池の正しい使い方と保管方法」)。
ただし電池は重いので、避難リュックに入れるのは必要最小限+予備1〜2個に。家の”電池コーナー”は多めに、リュックは絞る。このメリハリが現実的です。
わが家の点検で、毎回1つは”気づかないこと”が出てくる
点検日を続けてきて分かったことがあります。毎回、必ず何か1つは”気づいていなかったこと”が出てきます。
本棚の上に、重いおもちゃが増えていた
子どもが届く高さの本棚の上に物が置いてあるのは、なんとなく気づいてはいました。でも点検日として改めて見直したら、いつの間にか金属製のしっかりした車のおもちゃが並んでいました。大きさのわりに重量があり、地震で飛んできたら危ない。
「飛んできたら痛いよ」と説明して、低い場所に移しました。ただし、本人は飾りたい様子だったので、飾れる別の場所を用意しました。ここで揉めると、次から片づけに協力してくれなくなります。
“気づいている”と”見直す”は違います。 見直すから、動かせる。動かすから、けがを防げます。
5つで、1時間かかりません
正直に書きます。5つとも、やってほしいです。 どれも外していないつもりで並べました。
ただ、思っているより短時間で終わります。
| 項目 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| ① 家具の固定 | 手前に軽く引いてみる | 5分 |
| ② 備蓄の期限 | 期限を見て、リストを書き直す | 30分 |
| ③ 子どものサイズ | おむつ・抱っこひも・靴を出して合わせる | 10分 |
| ④ ハザードマップ | 市区町村名+「ハザードマップ」で検索 | 10分 |
| ⑤ 停電の備え | 明かりと電池を出して、点くか確かめる | 5分 |
合計1時間。いちばん重い②を別の日に回せば、残り4つは30分です。
それでも、1時間がまとまって取れない日はあります。その日は1つでかまいません。 5つのうち1つでも動けば、去年の9月1日より確実に前に進んでいます。残りは今月中のどこかで、と決めておけば大丈夫です。
今日1つを選ぶ基準は、これです。「気になっているのに、後回しにしていた」項目を1つ。
気になっているということは、頭のどこかで危険を感じ取っているということです。その勘は、たいてい当たっています。
まとめ
- 9月1日は1923年の関東大震災に由来し、前年の伊勢湾台風をきっかけに1960年に創設された。地震と台風の両方の戒めが込められている
- 備えは置いておくだけでは維持できない。突っ張り棒は緩み、期限は近づき、子どもは大きくなる
- 点検日は3月11日と9月1日の年2回。ただし液体ミルクとベビーフードは期限が約1年なので、年2回では足りない
- ハザードマップは古くなっている可能性がある(2015年の水防法改正で、想定し得る最大規模の降雨が前提になった)
- 非常食は半年先ルールで実食すると、期限管理が行事になって続く
- 5つで1時間かからない。 まとめて取れない日は、今日1つ。残りは今月中に
「1年に一度でいいので、わが家を見直す日」。その日にいちばんふさわしいのが、9月1日です。
完璧な備えでなくて構いません。わが家も、毎回何かしら気づかなかったことが出てきます。でも、それが点検の目的です。1回で全部そろえようとしなくて大丈夫。次の3月にまた見直せばいい、というくらいの気持ちで。
\ 7日分がまとまっているので、期限管理も簡単です /
\ わが家で使っています。引き上げるだけで点きます /
\ 楽天1位。ケーブル内蔵なので忘れ物になりません /
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最終更新日:2026年8月30日
