防災の日にやる、わが家の点検リスト-9月1日に見直す5項目

2026年9月のカレンダー。9月1日を黄色い丸で囲んでいる 季節の防災

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9月1日は、防災の日です。

9月1日が防災の日になったのは1960年です。関東大震災が起きた日であり、台風が多い「二百十日」にもあたります。前年の伊勢湾台風の被害が、制定のきっかけになりました。

地震だけの日ではないので、この記事ではハザードマップや停電の話も扱います。

ただ、「防災の日だから何かしよう」と思っても、何をすればいいのかは意外と分かりません。防災グッズを買い足すのか、避難訓練をするのか。結局、何もしないまま9月2日になる。そういう年が続いていませんか。

点検するのは5つです。家具の固定、備蓄の期限、子どものサイズ、ハザードマップ、停電の備え。

買い足す日ではありません。すでに備えてある物が、今も使えるかを確かめる日です。

全部やっても1時間ほど。まとめて取れない日は、1つだけで大丈夫です。

1時間で、1年ぶんの「気になっていたこと」が片づきます。


なぜ「点検日」が要るのか

備えは、置いておくだけでは維持できません。

  • 突っ張り棒は、押さえつける力が少しずつ弱まります
  • 非常食の賞味期限は、近づきます
  • そして何より、子どもの成長は早いです

「前にそろえたから大丈夫」。これが、いちばんの落とし穴です。

だから、年に2回だけ、見直す日を決めておく。おすすめは3月11日と9月1日です。どちらも忘れにくい日付で、ちょうど半年おきになります。カレンダーに入れてしまえば、半年ごとに自ずとチェックできるタイミングが来ます。


地震に備える3つ

① 家具の固定は、緩んでいませんか(5分)

やることは1つだけです。固定した家具を、手前に軽く引いてみる。 動かなければ大丈夫です。突っ張り棒に手を当てて、ぐらつかないかも確かめてください。

これだけで5分もかかりません。それでも意味があるのは、突っ張り棒は緩むからです。メーカーの平安伸銅工業は、使用上の注意事項でこう案内しています。

取り付け後、点検を行ってください。また、取り付け2〜3日後、また定期的に取付状態を確認してください。特に圧着状態をよく確認し、弱ければ圧着強度を増してください。

(出典:平安伸銅工業「家具転倒防止突っ張り棒 REQ-65」使用上の注意事項)

付けた日がいちばん強く、そこから緩んでいきます。

⚠️ 揺れを感じるような地震があった後は、点検日を待たずに確認してください。 同じ注意事項に、点検よりさらに踏み込んだ一文があります。

地震後は安全のため新品と交換される事をおすすめします。

家具の固定そのものをまだやっていない、あるいはやり方に不安がある場合は、こちらにまとめています。

▶ 賃貸でもできる家具の転倒防止-壁に穴を開けない固定方法【公的データで比較】

▶ 家具転倒防止グッズの選び方と設置手順-賃貸で失敗しない実践ガイド


② 備蓄の賞味期限は、切れていませんか

防災の日は、備蓄を入れ替えるのにちょうどいい日です。

非常食・レトルト・飲料の期限を確認して、賞味期限が近いものは普段の食事で消費する。そして買い足す。この循環がローリングストックです。

「気づけない」を、仕組みでなくす

わが家がやっているのは、紙に書いたリストで管理する方法です。

  • 備蓄品と期限を、紙にリスト化する
  • 箱の外側、見える位置に貼る
  • 点検日(9月1日と3月11日)に、古いものを出して入れ替え、リストも更新する

スマホのアラートも試しましたが、鳴っても「あとで」で終わります。既読スルーされて、気づけば期限切れ。紙のほうが確実だったのは、探さなくても目に入るからです。

商品によっては、期限管理カードが最初から同封されているものもあります。それを使えば書く手間もかかりません。

わが家の「半年先ルール」

もう1つ、続けやすい方法があります。

期限が半年先に来る非常食を、普段の食事で食べてしまう。 アルファ米・保存パン・レトルト。点検日に「これは半年以内に賞味期限が切れる」というものを抜き出して、その月のうちに食卓に出します。(そのうちと思っていると本当に期限切れに…)

コツは、「実食日」を家族の予定にしてしまうことです。わが家は「4月と10月は非常食の日」と決めています。管理の作業ではなく、行事にしてしまうと続きます。子どもも意外と楽しみにします。親もその日はご飯の支度が楽になります。

そして、食べてみて初めて分かることがあります。「子どもがこれを食べない」。これは、期限より大事な気づきです。避難所で初めて気づいてもどうすることもできません。

⚠️ 子ども向けは、保存期間が2つに分かれます。ここを混ぜて考えると失敗します。

種類保存期間点検の頻度
子ども向けのアルファ米・おかゆ(だしがゆ、安心米など)5〜6年年2回の点検日で足ります
液体ミルク約6か月〜1年点検日だけでは足りません
レトルト離乳食・ベビーフード約1年同上
普段のお菓子・ゼリー飲料を”ついで備蓄”にしている場合数か月同上

上表のとおり、乳児がいる家庭は年2回の点検日に加えて、月に一度、液体ミルクとベビーフードの箱だけ見てください。 買ったときに箱へ期限を大きく書いておくと、目を通すだけで済みます。

逆に、離乳食を卒業していれば、子どもの分も大人と同じ年2回の点検日に乗せられます。ここが切り替わるタイミングを、点検日に確認してください。

\ 7日分がまとまっているので、期限管理も簡単です /


③ 子どものサイズは、半年で変わります

ここが、年2回見直すいちばん大きな意味です。

例を挙げます。

  • おむつの備蓄は、サイズが合っていますか。もう卒業しましたか
  • 抱っこひもは、まだ避難で使いますか。もう歩いて逃げられますか
  • 靴と服のサイズは、まだ合っていますか

わが家の失敗を書きます。当時、おむつを備蓄しており安心していたのですが、点検日に確認したらサイズが小さいままでした。使う頻度が高いぶん、普段使っている分は自然に切り替わります。ところが備蓄の箱だけが、そのときのサイズで止まっていました。

抱っこひもは、少し性格が違います。日常的に使うもののため、避難リュックに入れっぱなしにする訳にはいきません。 だから点検日に見るのは「合っているか」ではなく、まだ避難のときに必要なのかどうか。子どもが自分で歩いて逃げられるようになったら、その前提から外れます。

靴も見落とされやすいです。避難用の靴は、履かないまま小さくなります。 普段履いている靴と違って、サイズアウトのタイミングを逸します。

⚠️ 頃合いを見て、避難用の靴を日常用に回してください。 サイズアウトで捨てるのがいちばんもったいない。避難用を日常用にして、新しいほうを避難用にする。この入れ替えを点検日にやると、無駄が出ません。

年齢別に何を入れるかは、こちらにまとめました。

▶ 【年齢別】子連れ防災リュックの中身-0歳から小学生まで、”足す物”と”いらない物”


台風と停電に備える2つ

9月は台風シーズンの入口です。

④ ハザードマップが、いつの間にか古くなっています

これは、後回しになりがちな項目です。

ハザードマップを調べなおしたら、住んでいる自治体で、より新しい版が出ていました。

更新には理由があったようです。2015年(平成27年)5月の水防法改正で、洪水浸水想定区域は「想定し得る最大規模の降雨」で川があふれた場合を前提に指定されることになりました(出典:国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」/水防法等の一部を改正する法律)。想定する雨が、それまでより大きくなったということです。

この改正を受けて、全国の自治体でハザードマップの改訂が進みました。想定される浸水域も、指定される避難場所も、変わっていることがあります。

つまり、数年前に見た記憶のまま避難先を決めていると、間違った場所へ向かう可能性があるということです。

やることは検索するだけです。「お住まいの市区町村名 + ハザードマップ」。国土交通省のハザードマップポータルサイトからも探せます。

⚠️ 見るときのポイント:自宅だけでなく、子どもの学校・保育園と、そこから自宅までの道も当然ながら確認を。加えて、ご自身の通勤経路も念のため確認してください。親が迎えに行くためのルートが浸水想定地域であるなら、そもそも迎えに行けません。


⑤ 停電の備えは、そろっていますか

小さな揺れや雨で停電することは、これまでの経験上まずないですし、あったとしても短時間で復旧することがほとんどです。ただし、大きな地震や台風では、広い範囲が長く停電することがあります。2019年の台風15号では、関東で最大およそ93万戸が停電し、千葉県では復旧までに10日以上かかりました(出典:内閣府「令和元年台風第15号・第19号をはじめとした一連の災害に係る検証レポート」)。

「起きるかもしれない」では少し足りません。「起きたらその状態が何日か続く可能性がある」。それを想定して備えます。

また、小さい子どもは暗闇を怖がり、親に引っ付いてきます。しかし、灯りが1つあれば安心しますので、親も落ち着いて行動ができます。

必要なのは2つだけです。

  • 明かり(電池式のランタン。部屋を面で照らせるもの)
  • 情報(電池で動くラジオ、モバイルバッテリー)

ヘッドライトは避難で歩くときの道具、ランタンは避難所や自宅で過ごすときの道具です。役割が違うので、どちらか一方ではなく、両方あると安心です。

この使い分けと、ランタンの選び方・置き場所・電池のしまい方は、防災の明かりの選び方-ランタン・ヘッドライト・懐中電灯の使い分けにまとめました。

わが家では、電池式のLEDランタンを使っています。キャンプでも使いましたが、明るさは十分でした。

気に入っているのは、電池さえ入っていれば、スライドするだけで点くこと。暗い中でスイッチを探さずに済みます。しかもスライドする位置で外に出る光の量が変わるので、夜中に子どもが起きたときは少ない明かり、片づけのときは全開、のように手元で調節できます。上面についているライトだけは、スイッチを押して点けます。

電池式LEDランタンの上面
本体をスライドして点灯させた電池式のLEDランタン

写真:本体をスライドすると点灯します。

軽いのも、置き場所を選ばない理由になっています。

停電の夜に子どもと過ごすことを考えると、手で持たなくていい光が1つあるかどうかで、部屋の落ち着き方が変わります。

⚠️ ランタンも電池式を選んでください。理由はヘッドライトと同じで、停電が長引くと充電できないからです。

\ 外側をスライドするだけで点きます。電池は単3×3本 /

そしてもう1つが情報です。停電が長引くと、スマホの残量がそのまま不安になります。モバイルバッテリーは20,000mAh前後あると、家族のスマホも数回分充電できます。

\ ケーブル一体型でケーブル探す手間不要 /

電池は「新品と使用済みを分ける」

100均のポリプロピレン製の電池ケースが便利です。仕切りが付いているので端子同士が触れず、絶縁テープを貼る必要がありません。

使用済みの電池は、必ず別のケースに入れてください。新しい電池と使用した電池を混ぜて使うと、液漏れの原因になります(出典:パナソニック「液もれの対処方法・電池の正しい使い方と保管方法」)。

ただし電池は重いので、避難リュックに入れるのは必要最小限+予備がお勧め。家の”電池コーナー”は多めに、リュックは絞る。このメリハリが現実的です。


点検日に気づいた:本棚の上に、重いおもちゃが増えていた

子どもが届く高さの本棚の上におもちゃが置いてあるのは、なんとなく気づいてはいました。でも点検日として改めて見直したら、そのおもちゃの後ろに金属製のしっかりした車のおもちゃが隠れていました。大きさのわりに重量があり、地震で飛んできたら非常に危険です。

「飛んできたら痛いよ」と説明して、低い場所に移しました。ただし、本人は飾りたいとのことだったため、子どもの目線レベルの別の場所を用意しました。ここで揉めると、次から片づけに協力してくれなくなります。

“気づいている”と”見直す”は違います。 見直すから、動かせる。動かすから、けがを防げます。


まとめ:5つで1時間程度。まとめて取れない日は、今日1つでいい

項目やること目安
① 家具の固定手前に軽く引いてみる5分
② 備蓄の期限期限を見て、リストを書き直す30分
③ 子どものサイズおむつ・抱っこひも・靴を出して合わせる10分
④ ハザードマップ市区町村名+「ハザードマップ」で検索10分
⑤ 停電の備え電池を入れて、点くか確かめる5分
  • 備えは置いておくだけでは維持できません。突っ張り棒は緩み、期限は近づき、子どもは大きくなる
  • 点検日は9月1日と3月11日の年2回。ただし液体ミルクとベビーフードは期限が約1年のため、追加で月1程度の確認を
  • ハザードマップは古くなっている可能性があります(2015年の水防法改正で、想定し得る最大規模の降雨が前提になった)
  • 非常食は半年先ルールで実食すると、期限管理が行事になって続く
  • 5つまとめて取れない日は、今日1つ。残りは今月中に

\ 7日分がまとまっているので、期限管理も簡単です /

\ 外側をスライドするだけで点きます。電池は単3×3本 /

\ ケーブル一体型でケーブル探す手間不要 /


この記事を書いた人

病院を裏方から支えて10年以上。被災地で見たことから、家で防げるけがを減らしたくて書いています。→ 運営者について


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参考文献

国・公的機関
国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」 https://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/
国土交通省「水防法等の一部を改正する法律」(平成27年5月公布) https://www.mlit.go.jp/river/suibou/suibouhou.html
国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」 https://disaportal.gsi.go.jp/
内閣府「令和元年台風第15号・第19号をはじめとした一連の災害に係る検証レポート(最終とりまとめ)」(令和2年3月) https://www.bousai.go.jp/kaigirep/r1typhoon/pdf/dai3kai_torimatome.pdf

メーカー
平安伸銅工業「家具転倒防止突っ張り棒 REQ-65」(使用上の注意事項) https://ec.heianshindo.co.jp/products/heian-req-65
パナソニック「液もれの対処方法・電池の正しい使い方と保管方法」 https://panasonic.jp/battery/contents/guide/storage.html

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