感震ブレーカーを自分で後付け-工事不要の5製品と分電盤で見る4つ

分電盤のブレーカーの横に付けた、おもり玉で動く感震ブレーカーとひも わが家の備え

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地震のあと、電気が戻ったときに出る火事(通電火災)に備える感震ブレーカー。気になっていても、「工事が要るのでは」「自分の家の分電盤に付けられるのか」と迷ったままになっていませんか。

工事なしで付けられる感震ブレーカーはあります。

わが家は、ブレーカーに付ける、おもり玉の型を自分で付けました。付けている途中でおもり玉を落とし、家中の電気を消してしまったこともあります。

自分の家に付けられるかどうかは、買う前に分電盤のふたを開けて、4つを見れば分かります。合う型を選べば、工事をせずに通電火災に備えられます。


  1. 結論:ブレーカーに付けられるなら、電気を使わない型で足りる
  2. 1. 工事なしで付けられる5製品を比べる
    1. 電気を使わない型は、揺れるとすぐブレーカーを下げ、電池が要らない
    2. センサーで動く型は、3分待ってからブレーカーを下げる
    3. 装置を付けたコンセントだけ、電気を止める型(KC-103)
    4. 賃貸なら、付け直せるヤモリか、コンセントに挿して家全体を止める震太郎
  3. 2. 買う前に、分電盤のふたを開けて確かめる4つ
    1. ① 本体を付ける空きがあるか(ブレーカーの下か、近くの空いている所)
    2. ② 真下に棚や扉がなく、おもりが落ちる空間があるか
    3. ③ 分電盤のふたを、少し開けたままにできるか
    4. ④ ヤモリなら、つまみを上から下に下げて切るブレーカーか
  4. 3. わが家のスイッチ断ボールⅢ:選んだ理由・付け方・弱点
    1. 工事なしで、家全体を1つで止められる型を選んだ
    2. ヤモリと比べると、小さいので置き場所を選びやすい
    3. 付けた場所と設定
    4. 付けるときに、つまずいた3つ
    5. 弱点と、向かない人
  5. 4. ブレーカーが下がったら:何が止まり、どう動くか
    1. 揺れている間は、まず身を守る
    2. 照明も冷蔵庫も、家中の電気が止まる
    3. 夜は真っ暗になる。寝室の明かりで動く
    4. 電気を戻す前に、確かめる3つ
  6. まとめ:まず分電盤のふたを開けて、付けられるかを確かめる
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  7. 参考文献

結論:ブレーカーに付けられるなら、電気を使わない型で足りる

工事なしで家全体の電気を止められるのは、ブレーカーに付ける型と、コンセントに挿す型です(内閣府ほか)。どちらも、地震の揺れを感じると、家中の電気を止めます。

ブレーカーに付けられるなら、おもりやバネでブレーカーを下げる型で足ります。 おもりやバネの力でブレーカーのつまみを下げるので、電気も電池も使いません。

ブレーカーのつまみに、おもりやバネの型を付けられない家は、コンセントに挿して家全体を止める型を選びます。この型は、アース付きのコンセントがあることなど、製品ごとに条件があります。


1. 工事なしで付けられる5製品を比べる

製品よいところ気になるところ

スイッチ断ボールⅢ(ブレーカー・おもり)
書き手が使用
電池が要らない・揺れるとすぐ止まる・本体が小さく、横にも付けられる止まるとすぐ真っ暗・両面テープは貼り直せない・試すと家中の電気が止まる

ヤモリ GV-SB1(ブレーカー・バネ)
電池が要らない・交換用パッドで付け直せる・テストスイッチで試せる止まるとすぐ真っ暗・本体が大きい・上から下に切るブレーカーだけ

ピオマ UGU6(ブレーカー・電池)
約3分待ってから止まる・揺れるとライトが点き、止まったあとも約10分照らす電池は約10年で、電池だけの交換はできず本体ごと

震太郎 X5029(コンセントに挿す・家全体を止める)
挿すだけ・約3分待ってから止まる・停電中も揺れを覚え、電気が戻ったときに止めるアース付きのコンセントと、漏電ブレーカーの種類(高速形・30mA以下)が条件

感震コンセント KC-103(付けたコンセントだけ止める)
ほかのコンセントの電気は止まらない・電源が要らない家全体は守らない

表は、メーカーの説明をもとにした、書き手の見方です。5つとも、日本消防設備安全センターが推奨している製品です。

市区町村によっては、購入の補助や配布をしています(消防庁)。「お住まいの市区町村名+感震ブレーカー」で調べられます。

電気を使わない型は、揺れるとすぐブレーカーを下げ、電池が要らない

スイッチ断ボールⅢは、揺れでおもり玉が台から落ちます。その重みで、ひもでつないだキャップがブレーカーのつまみを引き下げます(エヌ・アイ・ピー)。リンテック21のヤモリは、揺れを感じるとスプリング(バネ)の力で、すぐにブレーカーを下げます(リンテック21)。どちらも電池を使いません。

センサーで動く型は、3分待ってからブレーカーを下げる

ピオマと震太郎は、センサーで揺れを感じてから約3分待って、ブレーカーを下げます。センサーで動く型は、電気を使います。ピオマは内蔵の電池で、震太郎はコンセントの電気で動きます。約3分待つので、夜でもすぐには暗くなりません(生方製作所)。

  • ピオマ:ブレーカーに付けます。揺れるとライトが点き、電気が止まったあとも約10分照らします。電池は約10年持ち、電池だけの交換はできず本体ごと替えます(生方製作所)
  • 震太郎:アース付きのコンセントに挿すだけで、家全体の電気を止めます。分電盤の漏電ブレーカーの種類(高速形・30mA以下)も条件です。揺れを感じたあとに停電しても、揺れを覚えています。電気が戻ったときに、ブレーカーを下げます(日本消防設備安全センター・大和電器・ラトックシステム)。自分の家の分電盤で分からないときは、買う前にメーカーに確かめます

装置を付けたコンセントだけ、電気を止める型(KC-103)

KC-103は、壁のコンセントに付ける装置です。揺れを感じると、この装置に差した電気ストーブなどの電気だけを止めます。ほかのコンセントの電気は止まりません。コンセントまでの家の中の配線も、火事を防ぐ範囲の外です(内閣府ほか)。

内閣府の選び方の図では、災害時でも電気を止めてはいけない機器がある家が、この型へ進みます(内閣府)。たとえば、バッテリーを使っていない医療用機器を使っている家です。

賃貸なら、付け直せるヤモリか、コンセントに挿して家全体を止める震太郎

賃貸の家では、退去のときに元に戻す決まり(原状回復)との兼ね合いで、付けられない場合があります。購入の補助の条件に、家主の承諾を入れている自治体もあります(消防庁)。

ヤモリは、交換用の接着パッドを使えば、引っ越し先でも付け直せます(リンテック21)。コンセントに挿して家全体を止める震太郎なら、抜けば外せます。分電盤に貼る型を付けるときは、管理会社に一言確かめておくと安心です。


2. 買う前に、分電盤のふたを開けて確かめる4つ

おもりやバネの型は、分電盤の形やブレーカーのつまみによっては付けられません。ふたを開けて、次の4つを見ます。①〜③はスイッチ断ボールⅢの説明書(エヌ・アイ・ピー)、④はヤモリのQ&A(リンテック21)に書いてあることです。

① 本体を付ける空きがあるか(ブレーカーの下か、近くの空いている所)

スイッチ断ボールⅢの本体は、ブレーカーの下でも、横などの空いている所でも付けられます。漏電ブレーカーの下に縦6cm・横4cm以上の空きがあれば、本体をそのまま貼ります。空きがなければ、本体を切り分けて空いている所に貼り、ひもを通す「ハンガー部分」だけを漏電ブレーカーの下に貼ります。漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、配線や電気製品が漏電したときに、電気を切るスイッチです(東京電力パワーグリッド)。どれか分からないときは、説明書の図と見比べます。ヤモリ(145×66×55mm)とピオマは、本体がもっと大きくなります。付くかどうかは、原寸の台紙や確認シートで確かめられます(リンテック21・生方製作所)。

② 真下に棚や扉がなく、おもりが落ちる空間があるか

分電盤の真下に棚があるなど、おもり玉が落ちる空間が足りない家は、付けられない場合があります。

③ 分電盤のふたを、少し開けたままにできるか

ふた付きの分電盤は、ふたを完全に閉めずに使います。閉めると、ひもが引っかかっておもり玉が落ちません。

④ ヤモリなら、つまみを上から下に下げて切るブレーカーか

メーカーは、上から下の向きに切るブレーカーのレバーにだけ対応している、と書いています。

4つを見て、おもりやバネの型を付けられないと分かったら、コンセントに挿して家全体を止める型を選びます。 その条件にも合わない家は、感震機能の付いた分電盤にする工事を考えます。そのときは、工務店やメーカーに相談します(内閣府)。


3. わが家のスイッチ断ボールⅢ:選んだ理由・付け方・弱点

分電盤のブレーカーの横に付けた感震ブレーカーと、つまみにつながるひも

ブレーカーの左横に付けたスイッチ断ボールⅢ。おもり玉のひもが、漏電ブレーカーのつまみにかけたキャップにつながっています。

工事なしで、家全体を1つで止められる型を選んだ

ブレーカーに付ける型を選んだ理由は、3つです。

  • 工事の要る型は、お金がかかる
  • コンセントごとに付ける型は、家のコンセントの数が多い
  • 分電盤が、避難で家を出るときに通る所にあるので、ブレーカーが落ちているかを目で確かめられる

ヤモリと比べると、小さいので置き場所を選びやすい

同じ電気を使わない型のヤモリと比べました(エヌ・アイ・ピー・リンテック21)。

スイッチ断ボールⅢヤモリ GV-SB1
本体の大きさ高さ58×幅34×奥行き28mm145×66×55mm
付け方両面テープ。一度貼ると貼り直せない接着パッド。交換用のパッドで付け直せる
試し方玉を指ではじいて落とすテストスイッチを押す

スイッチ断ボールⅢは本体が小さく、説明書のとおり切り分ければ、ブレーカーの横など空いている所にも付けられます。 空きが十分ある家は、どちらでも付けられます。

付けた場所と設定

感震ブレーカーの本体のラベルと、台の下の水平器

本体のラベル(スイッチ断ボールⅢ A001J)と、台の下の水平器。

付けたのはブレーカーの横で、子どもの手が届かない高さです。両面テープは使わず、本体はねじで留めました。分電盤のふたは少し開けたままにして、震度は6強で設定しています。

スイッチ断ボールⅢの説明書(エヌ・アイ・ピー)の付け方は、両面テープで貼るやり方です。先にセロテープで仮止めして試し、貼ってから一晩置いて、おもり玉をのせます。選べる震度は、震度5強以上・6強以上・7以上の3つで、説明書は建物の造りや地盤を考えて選ぶよう書いています。

付けるときに、つまずいた3つ

① 台が少し傾くだけで、玉が落ちる

付ける前に、どのくらいで玉が落ちるのか試しました。玉をのせる台の縁は思ったより浅く、少し傾けただけで玉が落ちました。台は、本体の水平器の泡が中心に来るように合わせます。

分電盤は高い所にあるので、脚立に乗って泡を見ました。説明書は、高い所での作業になるので、安定した台に乗って作業するよう書いています。

② 付けている途中で玉が落ち、家中の電気が消えた

付けている途中で、おもり玉を落としてしまい、家中の電気が消えました。玉が落ちればブレーカーが下がる仕組みなので、付ける作業の途中でも同じことが起きます。付けるのは、電気が切れても困らない時間にします。

③ 玉の勢いが足りず、ブレーカーが下がらなかった

勢いがないとブレーカーのスイッチが落ちなかったので、付けてから一度、ひもを長くしました。説明書も、落ちないときは付属の長いひもに替えるよう書いています。付けたら一度、玉を指ではじいて落とし、ブレーカーが下がるか試します。

付けてから、震度3ほどの揺れでは落ちませんでした。説明書の使用期間は10年です。内閣府は、定期的に作動を確かめ、必要に応じて部品を替えるよう呼びかけています(内閣府)。

弱点と、向かない人

  • 見た目は、よいとは言えません。気にする人には向きません
  • 止まると、家中が一度に暗くなります
  • 両面テープは、一度貼ると貼り直せません。賃貸や引っ越しのある家には向きません
  • ちゃんと付けられたかを試すと、そのたびにブレーカーが下がり、家中の電気が止まります
  • ひもの長さを合わせるのに、迷うことがあります

付け直したい家や、テストスイッチで試したい家は、ヤモリを選ぶ手もあります。

\ 高さ58mmの小さな本体で、工事なしで付けられます /


4. ブレーカーが下がったら:何が止まり、どう動くか

揺れている間は、まず身を守る

揺れている間は、まず自分の身を守ります。東京消防庁も、揺れを感じたら身の安全を最優先にし、避難が必要なときはブレーカーを切ってから、と呼びかけています。感震ブレーカーがあれば、留守のときや寝ている間の地震でも、電気が自動で止まります。

照明も冷蔵庫も、家中の電気が止まる

電気は分電盤から、部屋ごとのいくつもの通路(回路)に分けられています(東京電力パワーグリッド)。家全体を止める型は、この回路を全部まとめて止めるので、次の物も止まります。

  • 冷蔵庫やエアコン:留守の間に止まると、ブレーカーを戻すまで止まったままです
  • パソコン:ハードディスクが動いているときに止まると、故障の原因になります(エヌ・アイ・ピー)。バッテリーのないデスクトップ型などです
  • 生命維持装置などの医療機器:止まると命に関わります。内閣府は、停電に対処できるバッテリーなどを備えるよう呼びかけています(内閣府)。スイッチ断ボールⅢの説明書は、停電に対応していない医療機器がつながっている回路には使わないよう書いています。家全体を止めると困る家は、装置を付けたコンセントだけ電気を止める型もあります(内閣府)

夜は真っ暗になる。寝室の明かりで動く

電気を使わない型は、揺れるとすぐに家中の電気を止めます。夜なら、部屋も廊下も真っ暗です。わが家は、寝室に懐中電灯を置いています。夜の明かりのために、停電時に作動する足元灯も置きます(内閣府)。国のガイドラインは、暗い中を歩くためのスリッパの用意も勧めています(内閣府ほか)。

明かりの選び方は「防災の明かりの選び方-ランタン・ヘッドライト・懐中電灯の使い分け」にまとめています。

電気を戻す前に、確かめる3つ

出かけている間に地震があり、帰ってきて明かりがつかないときは、感震ブレーカーが働いたのかもしれません。内閣府の留意点を要点にまとめると、ブレーカーを戻す前に確かめるのは次の3つです。

  • ヒーターや白熱灯のまわりに、燃える物がないか
  • すぐに使わないアイロンやドライヤーのコンセントを抜いたか
  • 電気製品やコンセントに、水がかかっていないか

分電盤が高い所にあるなら、戻すときに乗る安定した台座も用意しておきます(内閣府ほか)。戻したあとも、しばらく様子を見ます。こげ臭いなど、おかしいと感じたら、ブレーカーを落として、もう一度家の中を点検します(内閣府)。


まとめ:まず分電盤のふたを開けて、付けられるかを確かめる

  • 工事なしで家全体の電気を止められるのは、ブレーカーに付ける型と、コンセントに挿す型
  • 分電盤の前で、本体を付ける空き・真下の空間・ふた・つまみの向きの4つを確かめる
  • ブレーカーに付けられるなら、電気を使わない型
  • 付けられないなら、コンセントに挿して家全体を止める型
  • 止まると真っ暗になるので、寝室に明かりを置く

やることは2つです。分電盤のふたを開けて、4つを確かめる。付けられると分かったら、電気が切れても困らない時間に付けて、説明書のやり方で一度試す。この2つで、工事をせずに通電火災に備えられます。

\ 高さ58mmの小さな本体で、工事なしで付けられます /


この記事を書いた人

病院を裏方から支えて10年以上。被災地で見たことから、家で防げるけがを減らしたくて書いています。→ 運営者について


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参考文献

国・公的機関

電力会社・メーカー

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